連合軍陸軍本部 第12師団 10:20


「…以上が今作戦における戦果のまとめです。」
上等な革張りの椅子に深く腰掛けた男の傍らに立つ青年将校が報告書を読み上げる。
「ご苦労だった、ミラー少尉」
今回の作戦を指揮した男、キドー少佐が満足げに聞き終え組んでいた足を崩した。
今作戦はこの男の見事な采配により大いなる成果を上げた、事実彼は有能な男であった。

ヒスパニック系の血でも入っているのか野生的な魅力のある浅黒い肌に彫りの深い端整な容貌、そして190cmを超すその長身。
無駄な肉の一切を削った、均整の取れた引き締まった筋肉質の体。
その触れれば切れそうな鋭利さを持つ美貌を額のように縁取っているのは彼のような男には全く相応しい長いプラチナの髪だった。
何よりもまして彼の魅力を引き立てているのは、まなじりはやや下がり気味だが相手を射抜くような迫力のある切れ長の目の中の、その瞳の色である。
薄い翠色の中に僅かに金色がかって見えるそれは彼をどこか人間離れした一種特異な存在に思わせる。
歳は30代の前半か中頃といったところか。
女性ならひと目で虜になってしまいそうな非の打ち所のない完璧な容貌の男だ。

だが女性にとっては残念なことに、彼は筋金入りの女嫌いで有名であった。

彼の好みとするのは簡単に言えば白人で金髪碧眼の品のいい美青年…そう、ちょうどこの目の前にいるエリック・ミラー少尉のようなタイプだろう。
品行方正にして容姿端麗。
緩くウェーブを描く美しいブロンドに、白磁のようにすべらかな白い肌、サファイアをはめ込んだような青の瞳。
ミラー少尉は当然のようにキドーのお気に入りであった。
そういうわけだから彼はキドー少佐の私設秘書のような立場になっているのだが彼もまた有能でさらに実に真面目な青年将校であったから陸軍内では色々と、その多くは悪い方面での噂の多いキドー少佐の下でも嫌な顔一つせず勤勉そのものに勤めていた。
「君は本当に有能な部下だ、今夜は私に君の普段の働きを労わせてくれないか、ディナーでもどうだ?」
そういうと、資料を彼のデスクに置こうとしたその手に、キドーの手がさりげなく重ねられる。
だがキドーにとって惜しむらくは、この可愛い部下であるミラー少尉がごくノーマルな性的嗜好の持ち主であったことだろうか。
「…申し訳ありません少佐、お誘いは大変ありがたいのですが今夜は夜勤ですので」
そう言葉短にいうと重ねられた手を失礼のないようにそっと引いた。
「では、これにて失礼いたします、サー」
非の打ち所のない敬礼を一つするとミラー少尉は真っ直ぐ部屋を出て行った。

「あーあ、ふられてやんの」
彼に入れ替わるようにしてドアの前に現れた人物がさものん気な口調でキドーを論う。
「身持ちの硬い相手を時間をかけて落とすことにこそ趣があるというものだ…で?貴様は何しに来た」
「はっ!ジーメンス大尉より書類に承認を頂戴に参りました、サー」
貴様、と呼ばれた小柄な男、遼那が満面の笑みで敬礼する。
キドーの顔にあからさまな嫌悪感が浮ぶ。
なぜなら理由は二つほどある。
まず第一に、この遼那少尉の属する非公式部隊(イレギュラーズ)の持ち込む仕事内容だ。
彼らの専門は暗殺、人体実験、拷問、といったおおよそこの世界有数の先進国で行われるにはそぐわない、野蛮ともいうべき任務が主だからだ。
それに第二に、彼は遼那が嫌いだった、と言っても、その内面を知ってその上で嫌っている、というわけではなく、単に彼がキドー少佐の好みのタイプから大きく外れているからだ、そして東洋人も嫌いだ。
それにこの男がいつも見せる底抜けに能天気でしまりのない笑顔もどうにもいけ好かない。
キドー少佐がいうところの「品が無い」のである。

とはいうものの、今回の作戦指揮官は自分であったのだから、非公式部隊に回す血なまぐさい仕事に、あくまで非公式にではあるが承認を下すのも彼の仕事の一環であるからこればかりは仕方が無い。
「…書類を渡せ」
キドー少佐は軽くため息をつきながら遼那の持ってきた書類を受け取る。
だが、そのどれもが今回捕らえた捕虜という名のモルモットに対しての人体実験に対する容認申請が主だ。
新開発の自白剤の試験、限界実験、細菌兵器の実験観察などなど、まともな精神の持ち主ならば唾棄すべき内容のものばかりである。
案の定とでもいうべきか、キドー少佐の侮蔑の顔色はますます濃くなった。
ちなみに限界実験とは要するに拷問である、どんな種類の拷問にどんな人間ならどこまで耐えられるかといったような。
WW2の時代でもあるまいに、そんな真似を平気でするこの人種が彼はどうにも好きになれなかった。
だが別に彼は拷問そのものに否を唱えている訳ではなく、彼らの文化人にあるまじき低俗さと野蛮さを嫌っているだけの話である。
なにせキドー少佐自身、生粋のサディストとしても有名であるのだから…。

非公式の書類にざっと目を通して形だけの承認をしてとっとと書類を突っ返そうとファイルをめくっていた時、ふとキドーの目が止まった。
今回、限界実験に使われる捕虜の一人の顔写真が彼の心を捉えたようである。
そのファイルの内容だけはじっくりと目を通し、そしてそれだけを抜き取り脇に置くと、残りの書類全てにおざなりにサインしてデスクに投げた。
「ご苦労だった、遼那少尉、それを持ってさっさと行け」
先ほど抜き出した一冊のファイルをあらためて手に取り、彼は身体を椅子ごと反転させ遼那に背中を向けた。
まるで犬か猫でも追い払うかのようである。
「ですが、少佐、そのファイルもこちらで処理するものですがよろしいのですか?単純な限界実験の被験体ですしわざわざ少佐のお手を煩わせるほどのことではないと思われますが?」
遼那のほうも、実はこの事はある程度予想はしていたのだったが、一応、形式的に尋ねてみる。
「このマルタ304号に関してはこちらで実験を行う、これは決定だ、他はそちらに任せる」
「ですが」
「ご苦労だった、遼那少尉」
取り付くしまもないとはこのことか。
まあ、一応聞いては見たがこうなるだろうと予想済みだった遼那は一度軽く肩をすくめると、今度は姿勢を正して敬礼し、キドーの部屋を後にした。

「…やっぱりキドー少佐のタイプだったか、あの若い捕虜、多分そうじゃないかと思ったんだよね、…気の毒に」
直属の上官ジーメンス大尉の元に戻る途中で遼那は一人ごちた。

上等な黒い皮手袋をした長い指が資料ファイルをめくる。

…限界実験用マルタ304号・年齢23歳 男性 階級:上等兵。

髪がブロンドではなくブラウンなのは惜しいところだったが、その容姿は高貴ささえ漂うような凛々しい美しさで、そして簡単には屈しないであろう強い意志の現われたきつめの眉も透き通るような青い瞳もまさしく彼の好みだった。
「…エクセレント…」
キドー少佐の口元が暗い喜びにつり上がった。
彼の男色趣味と、時としたこの公私混同が、これほど有能な指揮官であるにもかかわらず今だに少佐止まりの所以なのかもしれない。

翌朝早く、304号と呼ばれたこの捕虜は陰惨な雰囲気を発するこの小さな訊問室に連行されていた。
後ろ手に拘束され、椅子に付いた革ベルトで身体を押さえ込まれた状態だ。
だがそれでも怯む事無く、目の前に立つ長身の男、キドー少佐を力強い眼光で睨みつけている。
「…早い話がだ」
キドー少佐が薄く笑いながら目の前の青年に語りかける。
「君に二重スパイの大役を買ってもらいたいのだよ、我々に協力し、情報提供してくれれば君には最高の待遇を与えようじゃないか、無事に開放され、いずれは自由も手に入る、それに多額報酬もだ、断れば…まあいうまでもないが我々の人体実験の被験者として畜生並の扱いを受けることになる、どちらが自分にとって得策かなど考えるまでもあるまい?」
目の前の端整だが酷薄そうな男の顔を、青年は強く奥歯を噛締めて更に眼光を強くして睨み返した。
「…軍人としての誇りを捨てろと?断る!それこそ畜生以下になり下がれということだ!」
凛とした声で青年がきっぱりと言い放つ。
キドーの薄い唇の端が愉悦も露に更につり上がる、こうでなくては面白くないとでも言うように。
「ふむ、残念な答えだ、しかし君も捕らえられたばかりでいささか冷静さを失っているかもしれん、私は気の長い男だ、君に考える猶予を十分に与えてやろうじゃないか」
少しも残念そうじゃない口調でそういうとキドーは後ろに控えていた兵士二名と補佐としてこの場に立ち会っているミラー少尉に指で合図をした。
二名の兵士が手際よく青年を椅子の拘束から開放するとその腕を掴み上げて連行していった。
ミラー少尉も後に続くが、彼はあくまで無表情を保っていた。
本来、実直な彼はこうした捕虜の「条約に反した不当な扱い」を嫌っていた、だが任務となれば感情を押し殺すくらいの覚悟はある。

軍用ジープに乗せられ周りを深い木々で覆われた轍だけが道を作る森の中を走ること15分、訓練場の一部だろうか、朝もやの中から森をくり抜いたように開けた短い草が茂っているだけの直径5メートルほどの空間が現れた。
その中心に頑丈な一本の鉄柱が立っている。
高さが2メートルほどの鉄柱には高さの段階調節が利くように刻みの付いた手枷が付いている。
捕虜の青年を連行してきた兵士達が手早く彼をこの鉄柱にくくりつけてしまう。
背中と腕の間に鉄柱が来るように腕を後ろにまわし、その手首を手枷で拘束する。
そして足にも肩幅程度の余裕を持たせた鎖の付いた足枷を着けられた。
そこまで終えると二人の兵士が下がり、代わりにキドー少佐が進み出た、そして鉄柱に縛り付けられた青年の後ろに周ると、その手枷の高さ調節レバーをぐいっと引上げた。
一瞬、腕を関節とは逆方向に引っ張り上げられる痛みに顔をしかめた青年だったが、背筋を伸ばして直立すればなんてことはない、むしろ丁度良い高さですらあるくらいだ。

「記録を読ませてもらったが、君は非常に運の強い男のようだね、乗っていた輸送機が撃墜されて唯一の生存者の上にこんな掠り傷一つですむなんて」
キドーが楽しげにいいながら手にしていた指揮杖の先で青年の簡素なプリズナーウェアの上衣を捲り上げる、
そこには大きな青痣と幾つかの手当てされた小さな裂傷が見えた。
確かにこれだけの軽症で済んだのなら奇跡とさえ呼んでも差し支えないかもしれない、尤も撃墜とはいっても正確には輸送機はなんとか不時着できたのだから、実際のところ生存者はまだあと数名いたはずである、それが捕虜として登録されていないのであれば、不時着時に気を失っていたこの青年以外の兵士で生きていた者は抵抗したかで皆殺しにされたということだ。
それでもやはりこの青年がずいぶんと強運の持ち主であることには変わらない、ただその運は「不幸中の幸い」に分類されるものでしかなかったが。
「それに今日から三日間の天気は不安定なようだ、さして暑い季節でもないが曇っていれば体力の消費も少なくて済むだろう、もし雨でも降ればのどの渇きは多少癒えるかもしれんしな」
キドーの言うその言葉の意味を一瞬図りかねた青年だったがすぐに理解した。
この男は自分をこの状態のまま三日間は放置する気だと、そして水も食料も与えない気だと。
「わかったかね?三日後、また君の意思を聞きに来る、それまではここでゆっくりと熟考するといい」
キドーが踵を返すとそれに兵士二人とミラー少尉も続いた。
ジープの音が遠くなり、やがて消えた、森の中にはわずかばかりの静寂と澄んだ鳥の声、そして時折遠くから聞こえる銃声だけが支配していた。

青年は一応この拘束を解けないかと奮闘してみた、だが案の定、人間の力でほどける様なやわな造りはしていない。
そうして時間だけが至極ゆっくりと過ぎていった。

最初の数時間程度ならば何のことはないだろう。
夜の帳がすっかり降りたこの基地の私室で、キドー少佐は捕虜の青年の様子を密かにつけられていた監視カメラで観察していた。
「…そうそう、だいぶ足が辛くなってきただろう?遠慮なく足を崩したまえ、そうすると、ほら、今度は肩が痛むだろう?しかし君は実に強運だよ、この森は密林での戦闘を目的とした訓練地だから広大でも凶暴な獣もいない、それに何より季節が良い、真冬や真夏ともなれば僅か一日で命を落とす者も多いからな」
仕事の合間に青年の様子を暗視モードでモニタリングしながら、キドー少佐はクククと低い笑いを喉の奥から洩らした。
元々、潰す予定の捕虜だったのだ、持ちかけた二重スパイの話など半分以上デタラメに近い、要するにこれはただキドー少佐の趣味で行われてることにすぎないのだ、この青年はよもやただ一個人の楽しみの為だけに自分が嬲られていることなど考えつきもしないであろう。
この青年を殺すも生かすも彼の采配次第なのである。

この拷問は概ね三日が限度だ。
水分を与えればもっと長く持たせられるかもしれないが、食料はともかく水なしではそれ以上は無理である。
そしてキドーの言ったとおり、季節柄にも大きく左右される、真夏であれば強力な直射日光に晒され、長くても二日もあればどんな屈強な精神の持ち主でも陥落させられるだろう。
真冬であれば寒さにやられ一夜のうちにでも命を落としかねない、裸にして真水でもかけてやれば屈するのは時間の問題だ。
だが今のような寒さに凍えることもなければ暑さにやられることもない時期であれば拷問師の気分次第でいくらでも延長が可能だ。

そして人間はいつまでも同じ姿勢を保ってはいられない。
やがて何時間も立たされっぱなしの足が疲労を訴えはじめる、だが直立姿勢で拘束されているのだから座ることは叶わない。
しかし足の力を抜いて休ませることは可能だ。
そうすると今度はギリギリの高さまで引上げられていた肩に全体重が掛かることになり、しばらくすれば今度はそちらの痛みに耐えられなくなり足を地に付けざるを得なくなる。
すると腕の痛みはなくなるが再び疲れた足に力を入れなければならず、この繰り返しでほとんど眠ることが出来ないのだ。

たった一本の鉄柱と手枷だが、使い様は拷問する側のアイディア次第でいくらでもある優れた拷問器具だ。
だがキドーは三日と決めたからにはそれを反古にするつもりもなかった、それだけはあの青年にとって唯一本当の幸運だっただろう。

二日目の昼近くにもなると喉の渇きが更に追加された。
キドー少佐の言ったとおり、この日は朝から曇っていて直射日光に直に晒される苦痛は受けずに済んだ。
だが結局雨は降らず、多少なりとも癒せたかもしれない喉の渇きは増す一方となった。
更に今度は大小便といった生理現象にも苦しめられることになる。
実際、今朝早くから既にかかる尿意をこらえていたのではあるが、我慢しようにも生き物である以上限界はある。
動くこと叶わず放置されているのだからこのまま惨めにも漏らしてしまうことになるのは必至だが、分っていても彼の自尊心が限界まで我慢を強い、その苦悶に耐える姿がまたキドーを楽しませた。

二日目も暮れる頃には既にほとんど足に力が入らなくなり、がんばって立っていようとしてもすぐに力が抜けて膝が折れる。
それに連れ、腕は逆関節で捻り上げられているも同然でその痛みは加速度的にいや増す。
堪えきれずに失禁したようで、足元とズボンには滲みが出来ていた。
疲労と乾きと飢えに体力を削られ、ほとんど気を失うようにして瞬間的に眠りに落ちても肩の痛みがすぐにそれを遮る、そしてまた感覚のなくなりかけた足に残った精神力を総動員してなんとか立ち上がる。
苦痛に噛締めた唇から血が滲む。
そんなことを夜通し幾度となく繰り返しているうちにだんだんと意識全体が朦朧としてくる。

既に体力も気力も限界に近づいていた。

三日目になるとさすがに苦痛もピークなのか、それでも前日までは身体の痛みに呻き声を上げたり苦悶の表情を見せたりしていた青年だったが最早ほとんど反応を示さない。
膝は折れたままでもう立ち上がれないらしい。
捻り上げられた肩はそうとう痛むだろうがそれに対してもたまに首をもたげ聞き取れないほど小さな声で何事かを呟くとまた首を落としてしまう。

「ふむ…」
青年の反応が少なくなったので退屈しているかと思いきや、キドーはこの光景を心から楽しんでいた。
美しい対象が精神力を削られ体力の限界まで追い詰められた姿は何より彼にとって心地よいものなのだ。
彼はモニターに見入りながら明日を待ち遠しく思った。

約束の三日が過ぎ。
四日目の朝に再びキドー少佐達が青年のところへやって来た。
車の音と人の気配に反応したのか、僅かに青年が首を上げてキドーたちの姿を認める、だがすぐにまたがっくりとうな垂れてしまう。
後ろ手に引き伸ばされ続けた腕は既にありえない角度にまで捻じ曲がり、激痛を通り越して脳内を支配し何も考えられなくなっていたし、どうしても力が入らず膝が折れたままの足は漏らした糞尿で汚れきっている。
無残そのものの有様だった。
「…聞こえるかね?さて、この三日間考える時間は十分にあったと思うが答を聞かせてもらおう」
指揮杖で青年のうな垂れた顎を持ち上げて虚ろになったその瞳を覗き込む。
すると、一体どこにそんな力が残っていたのか、突然虚ろだった目に強い生気が戻ったかと思いきや、青年がキドーの顔に唾を吐きかけた。
これにはキドーも他の兵士達も驚いた。
この侮辱に対してキドーが力いっぱい青年の頬を張った。
だが、それが本当に最後の抵抗だったらしく、キドーに殴られるまでもなく既に青年は完全に意識を失っていた。

「…いいだろう…」
キドーが唾を吐きかけられた頬をハンカチで拭いながら呟く。
面白い。
こいつはまだまだ嬲りがいがある。
喜ばしい誤算に、キドーの加虐心が更に擽られる。

「そいつの拘束を解いて荷台に乗せ医務局へ運べ、一日の休養を置いてもう一度、今度は別の審問にかける」
キドーの命令に忠実な兵士達が素早く対応する。
手枷が外されると、青年の身体が何の抵抗もなく地面に崩れ落ちた。
兵士達が再び青年に手錠をかけるとその腕を二人がかりで掴んで引き摺るようにして車まで運んだ。

ただ一人、ミラー少尉だけは誰にも気が付かれない程度に痛ましげな視線を捕虜の青年に向けていた。