一人の嬰児が私たちのために生まれた
一人の男の子が私たちに与えられた。
権威が彼の肩にある
その名は驚くべき指導者
力ある神
永遠の父平和の君と唱えられる。




クリスマス。僕にとってはどうでもいい退屈な祝日だ。
恋人が居る奴とかには、聖なる夜であり絶好の告白のチャンスなんだろうけど...
「メシア!!」
冬の人ごみの中をすいすいと通り抜けて随分と離れた僕に手を振って佐藤が呼びかける。
「その名前で呼ぶなっていただろう!!」
「あ、すみません。....一郎」
少々はにかみながら照れたように僕の名前を君が呼ぶから.....つい。僕も照れくさくって、そっぽを向いた。
「それにしても、すごい飾りですね」
「...」
「綺麗だと思いません?」
「...ああ」
本当は、こんな飾りなど興味も関心もない。それにこんな飾りなどはただのまやかしのような光しかだしはしないの
だから....。
でも....何故、だろう。君と一緒に見るとそれはそれは美しいものに見える。
君が、僕に魔法をかけたのだろうか?
「手」
「は?」
むずっと手を掴んだ。本当は手首を掴みたかったのにあいつの背がとても高くて届かなかった。
そうすると君は驚いたように目を見開くと何か言おうとした。でもその言葉を言う前に僕は、少々上目遣いで言葉をかけた。
「繋いだほうがあったかいだろ?」
一人でクリスマスを過ごしていた時は、こんなに人肌が恋しいと思ったことはなかった。
何より知らなかった。
でもね...。今こうして君といたいと思うのは君に出会えたからなんだよ。














遠くから聞こえる教会のチャペルと聖歌隊の歌が今の僕にはなぜかとても心地よく聞こえた。





【ケイキョより】

ケイキョの誕生日プレゼントにクリスマス小説をいただきました。
ありがとうございました★
12月はなにかと楽しい季節ですよね、クリスマスをひかえて街は美しいイルミネーションに溢れるし。
松下もちょっとロマンティックな気持になるのかな?

にしても今年は糞寒いけども…。




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