バレンタイン限定とか言いつつ残存 |
2月14日ですね。 今日がバレンタインデーであることをついさっき思い出しました。 不甲斐ないなァ・・。 いえね、これでも会社勤めをまともにしていたころには毎年平均5、6個は貰ってたんですよ、 義理でしょうけどね(笑) まぁ、今年は義理とは言え一切期待出来そうにありません。 別にチョコが食べたいわけでも無いですがそれも何となく寂しいものです。 ため息を付きながら、さて、今日の夕飯の買い物にでも行こうかと支度をしてますと 「どうしたのよ?何か元気ないね」 とふくろう女さんが話しかけてきました。 私がすなおに「いやー・・お恥ずかしい話ですが、ほらバレンタインでしょ?なんだかすっかり縁遠くなっちゃったなー、と思って・・かかわりありそうな女性も回りにいませんしねー(笑)」 と笑いながら話すと。 「あ、そ、くだらないの」 とそっぽを向いてしまいました、 う、実際くだらない話だったかも?でもなんだかふくろう女さんここ数日機嫌が悪いんです。 さておき、私はいつも買出しをする商店街に出かけました、 そしたら、なんと、嬉しいですね。 いつも買うお店で働くお母様方からいくつかチョコを貰ってしまいました。 あと、お店でよく顔をあわせる奥様方からもいくつか・・、アハ、なんだかんだと計6個になりました。 まぁ、義理でしょうけどね(笑) 単純ながら、出かけていったときとは一転、ほくほくしながら家に帰ると「佐藤」と蛙男さんに呼び止められました。 「ハイ?」と振り返るといきなり蛙男さんがチョコを差し出しました。 一瞬、「すわ!告白!?」かとビックリしてしまいましたが近在の奥さんからの預かり物だったそうです。 なんだ、あ、でも、これで計7個です☆ 「ばれんたいんでーとは何なのだ?佐藤よ」と蛙男さんが私が抱えている色とりどりの箱を見て怪訝そうに訊かれました。 ああ・・、そうか、蛙男さん・・。 彼は一応普通の生まれの人間ではないのでした、この頃よく忘れますが・・。 とりあえずそこでかいつまんで説明させていただきました。 「ええとですね、日本では、女性が好意を寄せる男性にチョコレートを贈る、というお祭り、というかなんと言うか・・」 「ふむ?祭りなのか?昨日今日と町に出るたびに「ばれんたいん」がどうとかののぼりやなんかを目にするのでな、変った行事が出来たものだな、それにしても何故チョコレートなのだ?」 「ええと、チョコっていうのは主に日本くらいの物だそうで・・そもそも外国では男性から女性にプレゼントを贈ったりまたは男女問わず贈りあったりするのだそうですけど・・1958年に日本の菓子メーカーの営業主任が、ヨーロッパの知り合いからバレンタインの話を聞いて、伊勢丹デパートで「バレンタインには女性から男性へチョコレートを贈りましょう」というキャンペーンを打ち立てたのが起源のようですけど、なぜ女性からかと言うとこれは単にデパート客が女性中心だったからだそうで・・」 「ああ、もういい、大体わかった、ようは想いの相手にチョコレートを渡すというチャラけた行事なんだな?」 「いえ、大本の起源を遡ると、3世紀頃に実在したキリスト教の司祭・聖バレンチヌス司教と言う人で、その頃のローマ皇帝・クラウディウス2世が兵士の結婚を禁じていたのですが、バレンチヌス司教がそれに反対して、結婚を望んでいる兵士たちの結婚式を密かに行っていたのだそうです、やがてそれが発覚し、バレンチヌス司教は269年2月14日に処刑され、その後、司教のおかげで結婚することができたカップルたちが、バレンチヌス司教の命日に追悼と感謝の気持ちを込めて、プレゼントを贈り合うようになったのが起源になったと言われるのが「聖バレンチヌス(バレンタイン)司教説」でして、このほかにも古代ローマのルペルカリアという祭が・・」 「ああああ、わかったわかった、どうもお前は説明になると長くなっていかんな」 「すみません」 「ふ、む、ばれんたいんでーか・・」 と、蛙男さんはつぶやきながらのしのしと去っていかれました。 本当に理解したのかなぁ? さて、機嫌も直った(私のですよ(笑))ことですし、早速台所で夕飯の支度にでも取り掛かろうかと思ったところにパサパサという軽い羽音が上のほうから聞こえました、 「手出して」 と声が聞こえ「え?」と思いましたがつい手を差し出すと、その手のひらに何かポトっと落ちてきました。 上を見上げるとふくろう女さんです、そして手の中には小さなハート型の銀紙に包まれたチョコが乗っています。 「あげる、欲しかったんでしょ?あたしも[一応]中身は女だからね」 そのふてくされたようなどこか照れを隠したようなものの言い方で何となく悟りました、 ああ、そうか、女性なんですよね、 きっと彼女もこの行事に参加したかったのでしょう、でも今の自分の姿は鳥だから・・と悔しく思っていたに違いありません。 だからずっと不機嫌だったんですね、私としたことが鈍感でした。 「・・でも、必要なかったかな?へぇ、なによ、ずいぶん貰ったんじゃない、一つももらえないようなこと言っててさ」 「ええ、でも、嬉しいですね、これで8個目です、ありがとうございます」 精一杯の感謝を込めて笑顔で答えました。 ふくろう女さんは何となくばつが悪そうにそれでも照れながら 「ちゃんとした女からじゃなくて悪いけど!」と言って去って(飛んで)いかれました。 そんなこと無いです、嬉しいですよ。(^ ^) でも、これだけチョコがあっても実は私そんなに好きでもないんですよね、 あ、でもふくろう女さんからのは食べました、これだけはね。 なんならお世話になっていると言う意味でメシアに・・とも思いましたがメシアがチョコを喜んで召し上がるとも思えませんし、 まして貰ったものを流用してはいけませんよねぇ。 だからと言ってちゃんと自身が購入した物を差し上げようにも、さすがに私もあの女性ばかりの売り場には近づけません、まして購入することなんて(笑) 食事の支度も終盤に差し掛かった頃、ふいに玄関を開ける音と廊下をどすどすと響かせて歩く独特の足音が聞こえました、 あ、蛙男さんだ、 いつ出掛けてらしたのか、台所の前の廊下を通るのを何気なく目で追ったら手になにやら紙袋を持って・・・。 行き先はメシアのお部屋です、ちらと覗いてみましたが、予感的中、蛙男さんチョコレートを買ってきたようです、 そしてそれをメシアに差し上げています。 まぁ、ね。 私もついさっき「お世話になっていると言う意味で」チョコを渡そうかとも思いましたからそれ自体は良いんですけど、 どうも「女性から男性に」という重要なファクターがスッポリ抜け落ちて「なんか大切な人にチョコをあげる日」と単純な理解をしてしまったようです。 説明の仕方が悪かったかな? それにしてもあの人、一体どんな面下げて今日も女性で溢れかえる売り場に踏み込んだやら、 それ以上におそらく投げ掛けられてであろう周りの女性方の不審げな刺さるような視線にも気付かなかったのでしょうか・・なかなかの鉄面皮です。 バレンタインの日に無心でチョコを買いあさる不気味な容貌の男(失礼)、 周囲からどんな風に思われていたのか想像するに余りあります。 あ、何か今蛙男さんが立ち上がりました、メシアに説教食らって早々に逃げてきたみたいです。 やっぱりメシアも私と同じバレンタインの起源を長々と話そうとしたようです。 そして戻って来た蛙男さんと廊下でバッタリ鉢合わせです。 「メシアにチョコあげたんですか?(笑)」と私。 「何だか知らんが在庫一掃とかで一つでいいのに何個もまとめて売られたんだがメシアもそんなに要らないそうだし俺もいらんからお前にもやる」 と蛙男さんは言い、赤い包みの小さな箱を私に差し出しました。 い、いらねぇ。 やっぱこの人根本的に理解してない。 この人がこういう現代の行事をすっかり理解するまでにあと何年かかるのでしょうかね? ところで、えーと、これ貰ったチョコの数にカウントするんですか? さて置き、 意外な結果になりました、 今年は全く期待出来ないと思ってたらなんと今までで一番多く貰った時と同じくらいになりました。 たしか8個が最高だったかな?? え、いや、確かに蛙男さんに貰ったのをカウントすれば記録更新なんですけど、 更新なんですけど。 うー・・・・・ん(悩)。 |