【諸注意】
佐藤さんを女性化して漫画の一シーンを再現してみた。
どうとでもなりやがれ。畜生。












【実験小説室:佐藤さん女性化計画】



行けども行けども森は深まるばかり…。


さすがに気丈な佐藤女史もいささか自分の無謀さを呪わずにいられなかった。
そして凹凸の多い森の中でいかにタイトスカートやヒールのある靴が歩行の妨げになるか身を持って知った。

すでに長いこと彼女が家庭教師を依頼された彼女の勤める会社の社長令嬢(いささか問題児とは聞いていたが予想以上だった)を追いかけてさ迷い歩き、足は疲れ、自慢の勝気な美貌も化粧が剥げてくたびれてきっと台無しに違いない。
これもまた自慢であるところの絹糸のような長い黒髪も、幾度も顔にくっ付いた木々の間の蜘蛛の巣に引っ掛かるたび無我夢中で振り払ったため乱れきっている。
そして何度か細い木の枝が彼女のスカートから伸びた脚を悪戯に引っ掻き、ストッキングに何箇所もの穴と伝線を作っていた。

昼なお暗い森の中、既に日は傾きほとんど漆黒と違わぬ闇の中で佐藤女史は何かに足を取られ派手に転倒した。
「痛ッ…!」
今しがた彼女を転ばせたそれに目をやるとそれはここに来るまでにも幾度も足を取られた倒木などではなく大きな石であった、それもただの岩ではなくどこかしら人工的に形を整えられた石碑のようなものであった。
「この石ね…」
地面に打ちつけ痛む膝を擦りながら彼女は憎らしげに石碑のようなものに目をやった。
その石には確かに文字が刻まれていた、間違いなく石碑である。
苔と長年の侵食によりだいぶ読みにくくはなっていたがはなんとか読み取れた。
「…享徳…二年…、といえば…足利義政の時代だわ、応仁の乱の前じゃないの…」
いかに未だ人の手の入らぬ原生林とはいえあまりの時代錯誤なそれに驚いた。
「そんな昔から誰も踏み入れていないのかしら」
普段気丈な彼女を心細くさせるほどの暗い森の雰囲気と相俟って、いよいよ不気味な感覚に陥った。
じっとしていると奇怪に身をうねらせ成長した木々が今にも彼女に向かって襲いかかってきそうな気さえする。
佐藤女史がよろめきながら身を起こした、すると今度は足元に明らかな違和感を感じた、右足のヒールが転倒の拍子にもげてしまって皮一枚で繋がっていた。
さすがに目のふちが熱くなった、もう情けないやら心細いやら惨めやらで泣きだす一歩手前である。
しかし明らかに高さの違う靴を履いていては例え平らに舗装された路ですらもまともに歩けないだろう。
彼女は思い切って皮一枚で繋がった折れたヒール部分をもぎ捨て、もう片方の無事な靴を脱いで手に持ち、憎たらしい石碑にそのヒールを何度も打ち付けてそちらも折り取った。

しばらく行くとこれまた時代がかった木の立て札のようなものに出くわした。

「人止」

と書いてある様だ。
「なにこれ…ここに入るなってこと?」
その様に書かれているものの、そこから先はまるで言葉とは裏腹に誘い込むように木々が避けられ草さえも生えておらずこの森の中で唯一真っ当な「路」の形状をしていたのだ。
道無き道を、木々の迷路を長時間歩かされた彼女は疲労も相俟っていささか判断力を失っていた。
もう森の中は同じところをぐるぐると回っているような錯覚に陥っていたし、ついには鋭利な枝の切っ先が彼女のスカートを厭らしい男の手のように切裂いてチャイナドレスばりの大胆なスリットを作ってしまっていた。佐藤女史のみごとな脚線美と白い肌が薄暗い闇の中で際立って見える。
彼女は導かれるようにフラフラとその唯一の「路」を進んで行った。
その先に待ち構えている一層の恐怖を知る由も無く。

やがて彼女の目の前に現れたのは岩盤に掘られた巨大な岩屋のようなものだった。
気がつけば闇になれた目に次々と飛び込んできたのはこれまた巨大な石仏の数々である、なんとも気味が悪い。
「なに、これ…」
しかし彼女の疲労はすでに限界に達していた、所詮か弱い女性の体力である。
恐ろしい面体の石仏達に囲まれて怖くないかといえば嘘になるがこれらが人工物であるという僅かな心安さを彼女は選んだ。
もう足元も見えぬ空も見えぬ右も左も判断のつかぬ八幡の薮知らずはこりごりだった。
彼女は生粋の都会育ちの女性なのだ。

ついに佐藤女史は石仏に取り囲まれた真ん中で倒れこむようにして寝転んだ。
歩き疲れた足がようやくその過酷な労働から解放されて喜んでいるようだった。ジンジンと痺れながら疲労が抜け出ていくのがわかる。
寝具以外の所で眠るなんて初めてだ。
彼女は胎児の様に細い身体を縮めてとうとう泣き出してしまった。
心細いしお腹も空いていた、喉は何とか途中見つけた湧き水で潤せたものの孤独と闇が彼女をいっそうか弱い生き物にしてしまった。
「どうしよう、路に迷ったんだわ、でももう疲れて一歩も歩けない、今夜はここで寝よう、日が昇れば方向くらいは判るかもしれないもの」
さしもの気丈でならした佐藤女史も幼子のように顔を涙で濡らし、しゃくり上げながらいつしかつかの間の休息に落ちていった。

ところが、
彼女のささやかな休息を突然轟音と地響きが遮った。
思わず悲鳴を上げて飛び起きた佐藤女史の目に映ったのは地に落ちた巨大石仏の刀を握った腕であった。
「…驚いた…手が落ちたんだわ、でも一体なんでおちたのかしら?」
偶然にしてはあまりのタイミングの悪さに胸の動悸が治まらない。
今日は一体何という異常な日なのだろう、彼女は思った。

あの不気味な社長令嬢を追いかけて暗い森で遭難しこんな薄気味悪い所で野宿する羽目になった。
それだけもずいぶんと不運なことだというのにその実、彼女の受難は始まったばかりだったのだ。

彼女は目を疑った、疲れのあまり幻覚でも見ているのかと思った、いや、思いたかった。
落ちた石仏の腕が、なんと目の前で宙に浮き上がったのだ。
「…嫌、なんなの…」
彼女の狼狽をあざ笑うかのように、死物であるはずのそれがうねうねと波打ち、その筋肉の躍動さえも感じさせる動きを持って巨大な石の刀を振りかぶり彼女に襲い掛かってきたのだ。
「キャアアアアアッ!嫌ッ、やめて!!来ないで!!」
佐藤女史は死に物狂いで悲鳴を上げてもう滅茶苦茶に逃げ回った。
石仏の腕と刀が岩を砕き、木を切り倒し、彼女に襲い来る。
混乱しきった彼女の脳裏にあの別荘番の気弱そうな旦那さんに手渡された「電気おまもり」とやらの存在が浮んだ。
彼女は藁をもすがる気持で今まで存在を忘れきっていたそれを上着のポケットから取り出してスイッチを入れた。
振り返った彼女の目に映ったのは巨大な石の刃が今にも彼女の頭上目掛けて振り下ろされようとする瞬間だった。
恐怖で一瞬遅れた反応。脳が、頭の皮膚が収縮する様な感覚。
「あっ…」
彼女の口から漏れた言葉はそれだけだった。

しかしこの人外境の出来事は彼女の死では終わらなかった。
なんと今彼女の命を奪おうとしている石仏の腕の、もう片方が同じように折れて宙を舞い、眼を閉じることも出来ずに振り下ろされる刀を見つめていた佐藤女史の目の前で、その刀を持った腕の暴挙を掴んで止めたのだ。
これがおまもりの効果かどうかまでは彼女に考える余裕は無かったが。

彼女の頭上で同じ主を持つはずの腕同士が激しく格闘していた、冷静に考えればなんとも滑稽な眺めである。

完全に腰を抜かしていた彼女の生存本能が彼女を突き動かした。
恐怖で動かなかった足が兎の後ろ足のように強く跳ねて地面を蹴り、その場から文字通り脱兎の勢いで逃げ出した。
しかし助かったと思ったのもつかの間、第二の受難が彼女を襲う。
再び空さえ見えぬ鬱蒼とした森に逃げ込んだ彼女にも轟く不気味な重低音と閃光が空一面に走るのが判った、雷だ。
雷雲がその凄まじい力を地に振った。
耳を麻痺させんばかりの轟音と共に彼女のホンの数メートル先の大木をいかずちが真っ二つにいとも容易く割り裂いたのだ。
佐藤女史の悲鳴などかき消されてしまった。
そこから発生した天の火は、本来ならばゆるく燃えるはずの生木の森を不自然なほどあっという間に火の海に変えて行った。
襲い来る怪物からやっと逃れたと思った矢先に今度は雷に追い討ちを掛けられ、さらには火に囲まれてしまった。
佐藤女史はもう立っているのがやっとだった、ガクガクとおかしなくらいに震える細い脚は「早く逃げなければ」と焦る脳に反して全くいう事を聞いてくれず、さながら彼女は火刑に処され火の輪に閉じ込められた哀れな魔女のようであった。
見渡す限りの火の海、巻き起こる熱の風が彼女の白い肌を舐め、美しい黒髪の表面をちりちりと焦がした。
「…あ…あ…イヤ…助けて…誰か…」
最早逃げ場など無いように思われた山火事の中を彼女はただ炎に追われその熱に意地悪く小突かれるように当ても無くヨロヨロと逃げ回った。

こんなところで死ぬなんてイヤだ、おかあさん、助けて、私を助けて、嫌、嫌、怖い、熱い、もう嫌、怖い、誰か。

そのとき、混乱しきった彼女の涙でかすんだ目に、唯一の救いのように一見ただの岩の割れ目のような「それ」が写った。
岩盤に出来た洞窟の入り口だ。
彼女は何を考える余裕も無くその岩の口の中目掛けて残る気力を総動員して走って飛び込んだ。

入り口からすぐ下は数メートルの落差があったらしい、佐藤女史はその段差をまともに転落してしまった。
落ちた拍子に背中を打ってしまい、一瞬呼吸が止まった。
だが暗闇の穴の中はこれだけはただ唯一の幸いに外界の山火事の熱と炎を遮ってくれた。

火の恐怖から逃れられた佐藤女史は何度か咳き込んで未だ整わぬ荒い呼吸を吐きながら穴の底に横たわっていた。
―とにかく、一応は、火からは逃れられたのだ、助かった。

しかし、外は炎が渦巻き、木々を焼き倒しているはずなのに不思議と穴の中では静寂に静まり返っていた。
なんとも不思議だ、ボンヤリと見上げた洞窟の入り口からはなんと穏かで美しい星空さえ見える、まるで山火事など幻覚であったかのように。

少し、呼吸が落ち着くと佐藤女史にも冷静さが戻ってきた、あまりにも外が静か過ぎる事に違和感を覚えたのだ。
まさか、先ほど石仏に襲われたのも雷も山火事も、全ては幻だったのではないだろうか?
佐藤女史はゆっくりとその身を起こした、不意に出来たスカートのいささか大胆すぎるスリットのおかげでずいぶんと動きが楽なことに今更ながら気がついた。
きっとこれまで逃げ回られたのもこれのおかげだったのだろう。
それにしても酷い有様だ、スカートは破れ上着も泥だらけ、ブラウスもボタンがはだけて豊かな胸の谷間がとブラの上端が露見してしまっている。ストッキングに至っては既に脚に纏わり付いた蜘蛛の糸さながらである。
自慢の美貌を誇る顔も泥と涙でぐしゃぐしゃだろうし、大事にしていた美しい髪も大方ボサボサだろう。
佐藤女史はそのことに思いを馳せ、一つ大きく落胆のため息を付いた。

薄闇であまり判然とはしないが洞窟の入り口まで落差はあるものの、岩の凹凸のおかげで幸いよじ登るのにさしたる苦労はしそうにない。
彼女はどうしても外の様子を見てみたくなり、何の気なしに洞窟の岩壁に手を掛けた。
その途端ヌルッとしてヒンヤリとしたいやあな感触が彼女の手に伝わった。
「ひっ!」
思わず短い悲鳴を上げてとっさに手を引っ込めた。
岩壁に張り付いていたナメクジか何かの薄気味悪い生き物でも触ってしまったのだろうか?
彼女は世の多くの女性よろしく、虫や姿の不気味な生き物は大嫌いだった。
「嫌だ、気持ち悪い…」
彼女が嫌悪をあらわにした瞬間、闇に閉ざされていた洞窟の岩壁全体がザワっと蠢いたような気がした。
「な、なに?」
その感覚に彼女の肌が総毛立った。
彼女の顔に突如冷たい何かが落ちてきて張り付いた。
「キャッ!なに!?」
慌ててそれを手で振り払った、嫌だ、もしかしたらこの穴の中は大嫌いな虫類の格好の巣窟なのではないだろうか。
彼女がそう考えて再び怖気に身を震わせた途端、今度は数匹の「何らかの生き物」が彼女目掛けて落ちてきた。
「ひっ、やっ、やだっ、何これ!?いやああぁっ!」
必死に手で振り払おうとしたがそれらは次第に雨のように無数に降り注いでは彼女の頭と顔といわず体中に張り付き始めた。
そして洞窟の入り口から差し込む僅かな光に照らされて佐藤女史は自分の手に張り付いた「それ」の正体を見た、それは大きなヤモリだった。
「ヤモリ…ッ、キャアアアアアアアアッ!いやっ!!いやあ!!気持ち悪い!!やだあ!!気持ち悪いーッ!!」

しかしこれらのヤモリはどこからこんなにも無数に湧いてきたのか疑問に思うほど闇の中から這い出してきては全て彼女に向かって足元から這い登り、天井から降り注ぎ、佐藤女史の身体に纏わり付き始めた。

「いっ、いやああぁっ、ヒっ、ヤッ、イヤアアアアアアアアァッ、いやっ、いやいや、いやアアアあああアァァッ!」
ついには服の中にまで進入し始めた爬虫類の冷たいおぞましい感触に佐藤女史は狂ったように暴れまわった。
「やめて!!やめてえ!!やだあ!!助けてえー!!アッ、嫌、やめてえええええ!!」
地面に転がり伏せば潰されたヤモリの体液やらグチャっとした感触やらが彼女の素肌に直接伝わって来てますます彼女を悩乱させるばかりである。
その間にもヤモリはまけじと次々に張り付き侵入し彼女の身体を隅々まで厭らしく這い回る。
顔に、脚に、腕に、柔らかな腹に、豊かな胸に、白い背中に。
ついには下着の中にまで進入を果たしたヤモリが彼女の女性器の部分にその身を擦りつけた。
体中を冷たくヌメヌメとした肌で全身を擦られ、敏感になった彼女の身体のあちこちに一種異様な感覚を与えた。
そのうち一匹がまるでそうした的確な悪意を持ったかのように彼女の秘所にその身体を潜りこませたのだ。
「ひいいいいぃっ! ひっ、ひいいいいいぃっ!!」
最早彼女は正気を失う寸前だった、大嫌いな爬虫類に全身をうぞうぞと這い回られ内部まで犯される、女性にとってこれ以上おぞましいことがあるだろうか。
そのうち一匹といわず、2匹目3匹目が彼女の中に互いに競うように潜り込み始めた。
「ア――――ッ!!!ッ――――アアッ――――アッ――――ッ!!」
肺の中の空気を全て吐き出さんばかりの勢いで叫んだ、悲鳴らしい悲鳴をも上げられなくなってもこの地獄は終わらない。
必死に自ら下着とボロボロになったストッキングを膝までずり下ろしてせめて中に入り込んだヤモリだけでも掻き出そうとそこに指を突っ込んでかき回した。このように悶え狂う様は見ようによってはひどく淫猥であるが本人はそれどころではない。
彼女が身悶えれば悶えるほど、その内部は彼女の意図に反してきつく締まり中に入り込んだヤモリ達を締め付けて苦しめ、その反動でヤモリ達を返って乱暴に暴れさせることになる。そこから伝わる異様な感覚が彼女の背筋におぞましい快感を走らせ同時に自らの手入れを欠かさなかった綺麗に伸ばした爪で柔らかい秘肉を傷つけて血を流し、痛みをももたらした。



「いやああああああぁッ!!ヒギャ!アアアアアアアッ!!!!ガッ、アッ、うああああッ!!!」
狂乱のあまり口の端から涎を流し、涙でぐしゃぐしゃになった顔で滅茶苦茶な絶叫を放つ彼女の視界の端に、何かが映った。
それは大きな光る眼のようであった。
だが既にまともな思考の出来なくなった彼女にハッキリとそうと認識出来たかどうかは定かではない、呂律の回らぬ口でその眼に向かって「あなたは誰?」と聞いたような気もするがそれもちゃんと言葉になっていたかどうか判らない。
やがてそれは輪郭を崩し、光の霧のようになって彼女に襲い掛かった。
その霧が彼女の口から鼻から、体中の穴という穴から彼女の体内に侵入した様な気がしたが佐藤女史が記憶しているのはそこまでだった。

ついに彼女はこの狂気に耐え切れず気を失ってしまったから。




佐藤さん、女性化計画、やってみました。
まあ、女性化しても見せ場はここくらいだと思うんですけどね、あと絵画的に表現するならサービスカットで無意味に別荘で「松下をどう教育しようか?」考えながら着替えてるシーンを作るとか、お銀よろしく無駄に風呂に入れるとかな。
しかし女性に置き換えるとこのシーンて非常にエロくありません?
私が無理にエロくしてみたのか、そう、か。

挿絵イラスト提供ありがとうございました!!
人間に生まれて、よもやヤモリが羨ましく思えるとは…。
ああ、この大人の女の匂い立つようなセクシーボディに張り付きたい…。ヤバすぎ。

よりハードな構図も頂きました。
見たい方は自己責任においてこちら!
精神崩壊一歩手前な表情が堪りません。女の子にとってはキツすぎる責めですな。
お戻りはブラウザバックでお願いします。




挿絵/山野宮 斐女さま
本文/ケイキョ


本文及びイラスト等の無断転記を絶対に禁止します。


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