腐敗の日 弐千弐年 八月 最終月


― 異端審問 ―

以下、解説。
非常に長文です、読まなくても良いです。
文字ばっかだなぁしかし。




最後の「腐敗の日」です。

2度しか参加出来ませんでしたが非常に有意義でありました。
企画者の方々に感謝を捧げたいと思います、そして同時に1年間お疲れ様でしたm(_ _)m

最後だというのに今回のは・・う〜む・・やや気合不足でした(反省する事しきり)。

なんだかよく見ると体の向きとか変だし・・・、だからよく見ないで下さい。

松下はこんな状況でもこんな表情はしないだろうな、

と思うのですが・・そこは腐敗の日ですんで・・(´∀`;)

きっと本来の彼なら歯を食いしばって耐えちゃうのだろうなとは本当に思うのですが・・・。

絵の構図とかもっと基本的な問題点はさて置き、
本人にしか判らないレベルでは有りますが血の塗り方にちょっと進歩が見られたのでそこだけはヨシとしたいと思います。

しかしまた今回に至ってはマイナーなテーマを選んでしまいました。
「異端審問」と言うとむずかしげですが要は有名な「魔女狩り」です。
本来「異端者」と「魔女」は性質が全く別物ですが魔女狩りが本格化した15世紀頃からはこの二つがローマ教会によって一纏めにされてしまいました。
ここにヨーロッパ最大にして最悪の暗黒史、魔女狩りが始まった訳です。

誰もがご存知だと思いますが一応補足させて頂きますと「魔女」とは言ってもなにも女性だけがその対象になった訳では有りません、魔女狩りで犠牲になった罪無き人々はヨーロッパ大陸で30万〜900万人とも言われていますが(正確な数字が未だに出ていないので文献によってまちまち)その約半数程は男性でした。

英語で「魔女」は「Witch」で男女の別はありませんね。

絵中に書いてある文章は魔女狩り最盛期の1582年にフランスのアヴィニヨンでドミニコ会士が18人の男女の魔女に下した判決文の一部抜粋です。
何だか「魔女ってのはね、こんなに、ほらこんなに、こぉんなに悪い事してんだよ」と鬱陶しいくらいにくどくどしく同じような意味合いの罪状とやらを並べ立ててますね、
全文はまだまだ罪の立証が続くのですが何となく頭悪い文章に見えませんか?

「今ならなんとおまけの開運七福神がま口まで付いて一万円!さらに今ならもう一つ同じ物が付いてお値段そのまま!今回キャンペーンとしてこの18金の鈴キーホルダーをセットでプレゼント!」的なテレビショッピングの文句を彷彿としてしまうのは私だけでしょうか?


「魔女マーク」

悪魔と契約結んだ印に体にどこかに悪魔が爪で魔女の体に付けた印だそうです。
この部分は痛覚が無く、針を刺しても痛みもしなければ出血もみないとは審問官曰くところ、
皮膚上に見えるように付けられる事も有りますが見えない場合も多々あったそうで・・したがってまず魔女嫌疑で捉えられた容疑者は裸にされ、
このマークを見つける為に怪しげな個所はおろかそれこそ体中くまなく針をブスブスと刺しまくられたそうです、
たまったもんじゃ無いですね、女性の魔女の場合なんかは「子供を産む穴」の中につけられてることもあるとかで、そこにも容赦なくぶすぶす。
すでに拷問だって。
外人さんが東洋の針治療をみるとあからさまに嫌悪を示すのはこの辺からきてるのでしょうかね?関係無いか。

そしてマークが見つかろうと見つかるまいと被疑者が「自白」しなければ続いて「予備拷問」に入ります。
ここで行なわれる拷問(十分凄い)で自白してしまえば正式記録には「拷問によることなく自白」と記録されます、
んなアホな。
魔女嫌疑で捕らえられたが最後、残虐な拷問に屈し10人中10人が魔女であると認めてしまいました、よしんば苛烈を極めた拷問に耐え抜いたとしても、後に待っているのは「自分の罪を認めない最悪の異端者」としてくだされるのは

「生きながらの火刑」

のみでした。
これまた補足ですが魔女の処刑は1485年当時ベストセラーになった魔女狩りマニュアル「魔女の槌」以降原則として「火刑」一本に定められましたが、やはり生きながらの火刑は当時としてもとても恐ろしいものだった様で、罪を認め自白した者は「絞首刑にした後、その遺体を焼く」のが普通だった様です、中には「縛り首にしてやるから白状しろ」と口説いて自白させる事もあったとか、死んだ後の死体をわざわざ面倒を掛けて焼こうとするのは悪魔によって穢れた体(及び魂)を炎によって浄化するという意味合いが多く含まれる為です。ただ、一口に魔女狩りといっても実に3世紀に渡って続きましたし、年代や地域によってもいろんなケースが有りました、同じ火刑といってもやはり地域年代によって適用や方法が違ってたりしますので私がもつ程度の知識で「こうだった!」と言い切る訳にはいかない様なので興味がある方はご自分でお調べになって下され(謝)

趣味に突っ走った説明を長々と失礼致しました。ホントに長いな・・。


アウト・デ・フェは終わった、帰れ